ルイジアナ州ベニス(CNN) 米メキシコ湾の原油流出事故で、対策に当たっている石油大手のBPは現地時間の26日午後、流出食い止めのための「トップキル」と呼ばれる作業に着手した。BPによると、成否が判明するのは27日以降になる見通し。
BPは現地時間の同日午後1時、水の2倍の密度を持つ泥状の液体約23トンを油田に注入する作業を開始した。この計画がうまくいけば、油田をコンクリートで封鎖できる状態になる。同社は先に、成功の確率は60〜70%だと説明していた。
BPのトニー・ヘイワード最高経営責任者(CEO)は作業開始から約4時間後、テキサス州ヒューストンの指令本部で「少なくとも今後24時間は継続する。24時間たてば成否が分かるだろう」と語った。計画は予定通りに進行しているが、海底から届く映像だけでは状況は判断できないとしている。
トップキルの計画には現場で連邦政府の対策を指揮する沿岸警備隊の司令官が最終許可を出した。オバマ大統領は、政権としてあらゆる選択肢を検討中だと述べ、「もし(トップキルが)うまくいかなかった場合でも、有効な手段はほかにある」と話している。大統領は27日に、海底油田採掘に関する監督強化と安全規制強化策を発表する予定。
【ワシントン時事】英メジャー(国際石油資本)BPは29日、米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾で続いている原油流出を止めるため26日に開始した封じ込め作戦が失敗に終わったと発表した。これにより、原油流出を早期に食い止めることが困難になったとの悲観的な見方が強まっている。
BPは26日、油井に泥などを流し込み、セメントで封じ込める「トップキル」作戦に着手。しかし、BPの担当者は「油井からの流出を食い止めることはできず、次の選択肢に移る決定を下した」と述べた。
この手法は、1991年の湾岸戦争で破壊されたクウェートの油田での原油流出を食い止めたが、水深1500メートルの深海では初めての試みで、専門家の間からは懐疑的な見方が出ていた。(2010/05/30-12:24)